焼きそばを作ると、麺がベチャッとして水っぽくなってしまうことはありませんか?
野菜から出る水分や、麺をほぐすために入れる水の量など、焼きそばがベチャつく原因はいくつかあります。
調理師として焼きそばを作るときは、麺と野菜を最初から一緒に炒めるのではなく、それぞれを分けて仕上げることを意識しています。
今回は、家庭で作る3人前の袋入り焼きそばを使って、ベチャつかせず、麺をおいしく仕上げるためのポイントを紹介します。
焼きそばがベチャつく主な原因
焼きそばがベチャつく原因は、野菜から出る水分や、麺をほぐすために加える水分だけではありません。
野菜と麺を最初から一緒に炒めたり、麺を長く加熱したりすることでも、仕上がりが水っぽくなりやすくなります。
家庭で作る場合は、野菜と麺を分けて仕上げることで、余分な水分を抑えながら、麺の食感を残しやすくなります。
麺は炒める前に電子レンジで温める
家庭でよく使う3人前の袋入り焼きそばの場合、私は麺を炒める前に、まず電子レンジで温めておきます。
3人前の袋から麺を1人前ずつ取り出し、個包装の袋のまま「あたため」で温めます。

こうしておくと、冷たいままの麺をフライパンで無理にほぐす必要がなくなり、短時間で炒めやすくなります。
※個包装のまま電子レンジで温める場合は、使用している商品の袋に電子レンジ対応の表示があることを確認してください。
野菜は先に炒める
野菜は麺と一緒に炒めるのではなく、先に炒めておきます。
ここでは、以前紹介した「野菜炒め」と同じ考え方で、野菜をできるだけ短時間で仕上げます。
野菜に火が入り、好みの食感になったら、次の工程へ進みます。
野菜を炒めすぎると水分が出やすくなり、麺と合わせたときにベチャつく原因にもなるので、加熱しすぎないこともポイントです。
野菜に粉末ソースを少しだけ絡める
野菜が好みの状態になったら、付属の粉末ソースを約3分の1だけ野菜に絡めます。
野菜全体にソースがなじんだら、炒めた野菜をいったん別の皿に移します。

ここで野菜と麺を分けておくことが、ベチャつきを防ぐポイントです。
野菜を取り出したあとのフライパンには、野菜から出た水分や油分が少し残っています。この水分をすべて捨てる必要はありません。
野菜の汁気は『悪』ではない
焼きそばをベチャつかせないためには、水分をすべてなくせばいいというわけではありません。
野菜から出た汁気には、野菜の風味やうま味だけでなく、水に溶けやすい成分も含まれていることがあります。
そのため、野菜を取り出したあとのフライパンに少量の汁気が残っている場合は、そのまま利用します。
ただし、汁気が多すぎる場合は、余分な分だけ捨てます。
少し残った水分は、あとで麺をほぐすときに役立ちます。大切なのは「水分をゼロにする」のではなく、「必要な水分だけを残す」ことです。
温めた麺を炒める
野菜を取り出したフライパンを、再び中火にかけます。
温めておいた麺を入れて、ほぐしながら炒めます。
テフロン加工などのフライパンであれば油は少量で大丈夫です。焦げつきやすいフライパンの場合は、少量の油を加えてください。
麺がほぐれにくいときは、水を一気に加えるのではなく、料理酒を少しずつ加えてほぐします。
麺がほぐれたら、残りの粉末ソースを加えます。
ソースは一気に全部入れない
粉末ソースを麺に絡めたら、すぐに全体を混ぜ続けるのではなく、少し待つのがポイントです。
ソースが入ると、フライパンから「パチパチ」という音がしてきます。
その音がしてから10~15秒ほど待ち、麺を混ぜます。
これを3~4回ほど繰り返します。
余分な水分を飛ばしながら麺を炒めることで、麺がベチャッとせず、少し香ばしく仕上がります。
焦げつかないように火加減を見ながら、麺に軽く焼き色がつくくらいまで炒めます。

最後に野菜を戻す
麺が香ばしく仕上がったら、先ほど別の皿に移しておいた野菜をフライパンに戻します。
麺と野菜を軽く混ぜ合わせ、全体を温めます。
ここでは長く炒め続ける必要はありません。野菜に火が入りすぎないよう、全体がなじんだら完成です。
最後に皿へ盛り付ければ、麺は香ばしく、野菜は食感を残した焼きそばに仕上がります。
調理師が意識しているポイント
焼きそばをベチャつかせないために、私が意識しているのは次のポイントです。
・麺は炒める前に温めておく
・野菜と麺を分けて炒める
・野菜を炒めすぎない
・野菜から出た汁気を必要以上に捨てない
・汁気が多い場合は、余分な分だけ捨てる
・麺をほぐすときに水を入れすぎない
・ほぐれにくいときは料理酒を少しずつ使う
・ソースを絡めたあとは「パチパチ」という音を目安に10~15秒待つ
・麺を香ばしく仕上げてから野菜を戻す
焼きそばは、水分をすべてなくせばおいしくなるわけではありません。
必要な水分は残し、余分な水分を飛ばす。このバランスを意識することで、ベチャつきを抑えながら、麺の香ばしさと野菜の食感を楽しめる焼きそばに仕上げやすくなります。
家庭で焼きそばを作るときに、ぜひ試してみてください。

