はじめに
「チャーハンを作ると、どうしてもベチャベチャになってしまう……」
そんな経験はありませんか?
チャーハンというと、「強火で一気に炒める」というイメージを持っている方も多いと思います。
もちろん火力は大切ですが、私は家庭でチャーハンを作るとき、強火で慌てて炒めることはしません。
むしろ大切なのは、ご飯の状態や油の使い方、そして炒めるタイミングです。
今回は、現役調理師の私が家庭でチャーハンを作るときに意識しているポイントを紹介します。
一人暮らしで自分のためだけに作る「ズボラチャーハン」から、人に食べてもらうときの作り方まで、私が実際にやっている方法です。
一人暮らしなら、普段はズボラチャーハン
一人暮らしなので、自分のためだけに作るチャーハンなら、かなりズボラです。
といっても、作り方そのものを変えるわけではありません。
基本的な作り方は、人に食べてもらうときと同じです。
違うのは、どこまで手をかけるか。
具材は豚肉やハム、ベーコンなどを入れることもありますが、面倒なときは卵だけのこともあります。
そして、自分一人で食べるだけなら、途中で味見もしません。
塩、コショウ、旨味調味料などを入れて、あとは感覚です。
食べてみて薄ければ、後から塩やコショウを足せばいい。
逆に、しょっぱければ、薄いスープを入れてスープチャーハンのようにすればいい。
自分で食べるだけなら、最初から完璧に仕上げる必要はありません。
ただし、家に人が来て「チャーハンを作って」と言われたら話は別です。
人に食べてもらうのであれば、調理師として、仕上がりまで意識して作ります。
自宅でお客様にチャーハンを作るなら
ご飯は炊きたて直後を避ける
私の場合、炊飯器から出したばかりのご飯は使いません。
炊きたて直後はご飯が熱すぎるため、少し冷ましてから使います。
普段は、炊飯器で保温していたご飯を使うことも多いです。
冷蔵庫に入れていた冷たいご飯を使う場合は、電子レンジで温めてから使います。
ただし、ここでも熱々にしすぎないのがポイントです。
卵とご飯を先に混ぜておく
私は、卵とご飯を先に混ぜておきます。
ここに塩、コショウ、旨味調味料なども加えておきます。
卵がご飯一粒一粒にまとわりつくことで、炒めたときにご飯がほぐれやすくなり、黄金色のパラパラした仕上がりにしやすくなります。

油はラードや牛脂を使う
チャーハンは油の使い方も重要です。
ラーメン屋で働いていたときは、ラードを使ってチャーハンを作っていました。
家庭で作る場合も、ラードがあればラードを使います。
ラードがないときは、スーパーでもらえる小袋の牛脂を使い、サラダ油と合わせています。
私は家庭では、テフロン加工のフライパンを使っています。
肉を先に炒める
具材に豚肉、ハム、ベーコンなどを使う場合は、まず肉を先に炒めます。
肉に火が通ったら、先ほど卵と混ぜておいたご飯を加えます。
具材を入れる順番も、仕上がりに関係してきます。
私の場合は、
肉 → 卵とご飯 → 干しエビ → 長ネギ
という順番です。
強火で慌てない。私は中火で炒めます
チャーハンというと「強火」というイメージがありますが、私は家庭では最初から最後まで中火で炒めます。
特に家庭のコンロは、業務用のコンロと比べて火力が弱いことがあります。
だからこそ、強火で一気に仕上げようとするよりも、ご飯の状態を見ながら炒めることを意識しています。
そして、ここで私が特に意識しているのが、
「炒める → 待つ → 混ぜる」
という動作です。
ご飯をフライパンに入れたら、すぐに激しく混ぜ続けません。
ご飯を広げて炒めていると、やがて「パチパチ」という音がしてきます。

「パチパチ」と音がしてきたら、そこから10~15秒ほど待ってから、ヘラでご飯をほぐすように混ぜます。
そして、またご飯を広げます。
再び「パチパチ」と音がしてきたら、少し待ってから混ぜる。

これを何度か繰り返します。
私は、この「炒める → 待つ → 混ぜる」を意識することで、ご飯を焦らず、じっくりほぐしていきます。
にんにく・しょうがを先に
油が入ったら、にんにくとしょうがを先に入れます。
香りが出てきたところで、ご飯を炒めていきます。
卵とご飯を先に混ぜている場合でも、肉を炒めた後に、このタイミングで加えます。
仕上げに酒と焦がし醤油
ご飯がある程度ほぐれてきたら、仕上げに入ります。
まず、フライパンの周りから料理酒を回し入れます。
アルコール分を飛ばしながら、ご飯を炒めます。
その後、少量の醤油をフライパンの端に入れます。
醤油を少し焦がして香りを出してから、全体を混ぜ合わせます。
これが、私がチャーハンを作るときの仕上げです。
チャーハンを作るとき、やらない方がいいこと
ご飯を入れすぎない
フライパンに対して、ご飯を入れすぎないことも大切です。
一度に大量のご飯を入れると、フライパンの中でご飯を広げにくくなります。
結果として、炒めるというより蒸すような状態になり、ベチャッとした仕上がりになりやすくなります。
家庭のフライパンなら、無理に大量のチャーハンを作らず、量を調整することもポイントです。
ご飯を強く触り続けない
ご飯をパラパラにしようとして、最初から最後までヘラで激しく混ぜ続けるのもおすすめしません。
ご飯を強く混ぜ続けると、米粒同士がこすれ、表面のでんぷんが出やすくなり、粘りが出てパラパラに仕上がりにくくなることがあります。
だから私は、
炒める → 待つ → 混ぜる
を繰り返します。
焦って混ぜ続けるのではなく、ご飯を広げて炒める時間を作ることがポイントです。
普段はやらないけれど、こんな工夫も
ここまで紹介した方法とは別に、チャーハンにはもう一つの作り方があります。
それは、卵を先にフライパンに入れる方法です。
卵をフライパンに入れて、ヘラなどで軽く崩します。
卵が固まり始めたところで、ご飯を加えます。
その後、ご飯と卵を混ぜながら炒めていきます。
私は普段は卵とご飯を先に混ぜてから炒める方法を使っていますが、この方法でもチャーハンを作ることができます。
作り方はいくつかありますので、自分の使いやすい方法を試してみるのもいいと思います。
パラパラチャーハンは「強火」だけがポイントではありません
チャーハンをパラパラに仕上げるために、「強火で一気に炒める」という方法がよく紹介されます。
しかし、家庭で作る場合は、必ずしも強火だけがポイントではありません。
ご飯を入れすぎない。
熱すぎるご飯をそのまま使わない。
卵とご飯を先に混ぜておく。
油を適切に使う。
そして、私が特に意識しているのが、
「炒める → 待つ → 混ぜる」
というリズムです。
家庭のコンロでも、焦らずご飯の状態を見ながら炒めることで、パラパラしたチャーハンを目指すことができます。
まとめ
チャーハンがベチャベチャになってしまう原因は、一つだけではありません。
ご飯の状態、フライパンに入れる量、油の使い方、炒め方など、いくつかのポイントが関係しています。
私が家庭でチャーハンを作るときに特に意識しているのは、強火で慌てないことです。
ご飯を広げて、パチパチという音を聞きながら少し待つ。
そして、ほぐすように混ぜる。
この繰り返しです。
チャーハンがうまくパラパラにならないという方は、ぜひ一度、**「炒める → 待つ → 混ぜる」**を意識して作ってみてください。

